SCENT

ここが分かれ道 やけに見覚えのある丁字路

現実が心を冷やす

立ち去る横顔 慣れたタバコと香水の匂い

消えないでと願っても

 

両手をすり抜けた風が 

今 幕を下ろしてバッドエンド

気づいても 見ないふりしてた気配

何度も抱きしめた部屋の隅

残り香も冷めて消えてゆく

思い出を モノクロに変えて

 

昨日の続きを想像したら

とても容易く幻想に溺れかけた

陽の当たる部屋に取り残された吸い殻を拾ってみた

すぐ捨ててしまうのに

 

もう二度と戻らない日々に

今 静かに書き込んだピリオド

馬鹿でいい 嘘でもいい

追いかけ続けていた

遠くなるその香り かじかむ足は動かなくて

憧れが 痛みへと変わる

 

思い出して後悔して でもこの夢は覚めない

忘れていた

5℃の夜は 一人じゃこんなに寒いの?

 

両手をすり抜けた風が

今 幕を下ろしてバッドエンド

「いつかまた会えたならその時は」

なんて台詞を残して

 

遠くなるその香り かじかむ足じゃ追い付けない
未来さえ その色を変えて