フレームアウト


頭の中 知らなかった 一人分の隙間に
あなたの影は差し込んで
夢だけ見せて消える
諦めようと何度も 何度もつぶやいた
真昼の土も 夜明けの雲の下も
探してはみたけれど見つからなかった
その魂以上に 欲しいものなんて
だからね あと少しだけ歌わせて
ただ一人
あなたが描いた景色の外側が
私の帰る場所
近づくたび毒がまわり 胸に鈍い痛みがさす
二人分の影が踊る窓から
目線をそらした
報われないことなど とっくに知っていた
重い荷物を抱えて 見上げれば
西の空が夜へと色を変えていた
一番星の役目を終わらせて
それでも 青い心で描いていく
ただ一人
いつしか色あせて
そっと額縁を外される時まで
どこまでも続く明日は
灰色の虹の中
目を開けて見えた景色は 
あまりにも完璧で
だからね あと少しだけ歌わせて
ただ一人
あなたが描いた景色の外側へ
遠く歩いていく